知的障害者の高齢化を捉える“4つ”のポイント


  • 知的(認知能力)

    ・加齢とともに低下するもの

    流動性知能(カウントやら機械的な記憶等)

    もともと流動性知能が低いが、加齢により低下すると、早期の段階で生活上の困難さが顕在化する


    ・高齢になっても低下しないもの

    結晶性知能(知識・経験による判断等)

    結晶性知能が低いと知識や経験による判断が蓄積されない。そのため、結晶性知能により流動性知能を補完できない

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  • 生活経験

    ・知的障害者の大半は、親と暮らしているか、福祉施設等で保護的な生活を送っている人が90%以上と想定される。


    ・高齢化しても、それを補う生活経験の蓄積がない。


    ・保護的な生活を送らざるをえない。

    「受援力」が高まっていることが期待される

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  • 意思決定

    ・親元や保護的環境下でいるため、意思決定の経験が乏しい。


    ・特に重大な意思決定に関しては、自身での意思決定は難しい。


    ・後見人(後見人も交代する)(良質後見人の発掘)

    意思決定の経験は必要ではあるが、重大な意思決定は周囲が判断する場合が多い

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  • 早期高齢化

    ・生活習慣病リスク

    20代知的障害男性と一般成人男性の40~50台が同水準。


    ・運動機能の低下

    活動や日常生活動作の困難さ


    ・循環器や内分泌系の罹患等

    通院が増加する。医療的ケアを要するケースの増加。


    ・転倒リスク

    骨折箇所は尻・腿が23.4%であり、座る際の配慮等が必要になる。


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・通所先の欠席や他施設(デイサービス)利用により、利用頻度は下がる。

・通院の回数は増える。

・入院、高齢者施設、入所施設への移行が始まる。

65 歳以上退所者の傾向は・・・

高齢化した知的障害者はどこへ

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    一般病院へ・・・35.2%

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    老人施設へ・・・34.0%(特養が年間1000人推定)

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    他の障害者支援施設へ・・・9.2%

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    精神科病院へ・・・3.9%


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    障害者グループホームへ・・・6.1%


※参考:◎障害者支援施設における利用者の入退所の実態に関する調査(H27)

高齢障害者への支援ニーズは今後ますます増加していくと想定されます。

カラフルNIPPONの“近隣施設”でも・・・


・20代の知的障害者のために作られたグループホーム(2階建て、エレベータなし)で室内の移動が困難になり閉鎖へ ・親の死去により、施設探しに奔走している。

・就労継続支援B型の平均年齢が50歳を超え、施設入所、欠席の増加、死去などで利用者が激減。高齢化した施設へ若い利用者も希望せず。経営困難に陥る。

・作業を中心に高工賃が特徴的だったが、活動内容の見直しが課題となった。伝統とアセスメント方法なども分からず、ずるずると変化できずにいる。


こうした事例も出てきています。 将来に向けて、今考えるべきことや動けることなど、一緒に考えていきましょう!

カラフルNIPPONにご相談ください

私たちは「心理」「教育」「福祉」の分野で、30年以上、障害に関する対人援助の「研究」と「実践」の両面に携わってきた平代表を中心に、自閉症児者や重度知的障害児者、発達障害者に対し、応用行動分析(ABA)や認知行動療法 (CBT)などの理論と実践に裏打ちされた専門的な支援を行っています。

未来への展望

代表理事のご紹介

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一般社団法人カラフルNIPPON 代表理事

平 雅夫

筑波大学大学院にて行動理論・認知理論等、発達障害・知的障害児者の心理を学ぶ。都内私立学校にて、教員として進路指導・研究員などを歴任。生活介護施設、障害者就労支援センターなど障害者福祉の分野で活躍してきた。

心理・教育・福祉の第一線の理論及び実践から構築される多面的な支援の評価は国内外にも広がっており、講演依頼・施設顧問等の依頼・招聘が国内外より後を絶たない高度な実践家である。

重度知的・自閉症児者に向けた生活介護事業/グループホーム施設である「カラフル西東京」の施設長のほか、星槎大学非常勤講師・西東京市自立支援協議会会長も務めた。

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